SPIRULINA

スピルリナ

誕生と生物学的特徴

スピルリナとは

スピルリナとは分類学上、藍藻類のユレモ目アルスロスピラ属に属する一群の微細藻類です。スピルリナは現在世界で約35種類ほど知られていますが、食糧として利用価値が高いのは、大型で増殖力が大きく、かつタンパク価の高いものに限定されています。地球上で最初の生物は細菌類と藍藻類で、35億年以前に現れたと言われています。その仲間がスピルリナです。スピルリナとはラテン語で「ねじれた」「らせん」を意味します。英語の「スパイラル」と同義語で、藻体がコルク抜きの様にねじれているところからこう呼ばれています。緑青色を呈し、全長が0.3~0.5ミリメートルの微細藻類です。藻類の中には、紅藻(アサクサノリなど)、褐藻(昆布、若布など)、緑藻(クロレラ、アオノリなど)、藍藻(水前寺海苔など)があり、スピルリナは水前寺海苔などと同じ藍藻類です。生息地は主にアフリカや中南米の熱帯から亜熱帯地方に多く生息します。淡水に生息する普通の藻と比べてスピルリナは高温、高アルカリ、高塩分という厳しい環境下で繁殖するのが大きな特徴となっています。とても不思議な藻で、一般の植物と同じように、炭酸ガスを吸収して光合成を行い成長するのですが、他の植物とは異なり、そのときデンプンを作らないで、エネルギー変換に有効なグリコーゲン(動物性の炭水化物)を作ります。

背 景

アフリカはサハラ砂漠のなかのチャド共和国にあるチャド湖。このチャド湖は直径250~300キロもある巨大なアルカリ性の塩水湖で、湖面にはスピルリナが生育しています。この湖のそばに住むカネム族という原住民は遊牧、耕作の出来ない砂漠の中で、何千年の昔から今日まで、このスピルリナを重要なタンパク源として食用としてきました。

スピルリナを発見し、『スピルリナ』と命名したのは、ドイツの藻類学者のトウルピン博士で、1927年のことです。また、スピルリナが食用として脚光を浴びるようになったのは、1967年にフランス国立石油研究所のクレマン博士が、将来必ずやってくる人口の爆発的増加による食糧危機を救うものとして、スピルリナに含まれる良質で吸収しやすいタンパク質に注目し、これをメキシコで開かれた微生物会議で紹介されてからのことです。以来、その高い栄養価(高タンパク、高ビタミン、高ミネラル)ならびに消化性の良さは、各国で大変注目されています。1975年、元東京大学教授・渡邊篤教授、弊社会長 黄堂慶雲博士らが本格的に基礎研究を始め、世界で初めての大量清浄培養に成功しました。

フランス国立石油研究所でのクレマン博士(右)と渡邊篤教授(左)

独立行政法人航空宇宙技術研究所では宇宙ステーションや月面・火星基地等の微小重力宇宙環境での人間の生活に不可欠な食料・酸素を生産するために、長期間にわたって連続的に藻類の培養を可能とする「ガス閉鎖系生命維持システム」の研究が進められています。また、NASA(米国航空宇宙局)では宇宙未来食糧として研究されており、国連でも難民の栄養補助食品として活用され、クロアチアやアフリカでの難民の食料として利用されています。

ガス閉鎖系生命維持システム


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